仕事で使うパソコンの選び方

パソコン選び

最近、経営者の方より業務パソコンの買い換えについて助言を求められる事が何度かありました。
そこで、一般的な事務作業用途のパソコンについて、どういったことに注意して機種選びすれば良いかを記事にしました。
専門的な言葉は多少出てきますが、パソコンに詳しくなくても理解していただけるように、できるだけ説明を多くしてあります。

パソコンの選びの重要性

パソコンは作業を効率化してくれる道具です。道具には性能差があり自分の作業に最適な道具は、より高い効率化を可能としてくれます。

具体的には、高性能CPUやSSDといったパソコン内部機器は、パソコン処理の高速化を生み出します。
また、大型画面や操作し易いキーボード・マウスといった外部機器を最適化することでも、操作の高速化と正確性を向上させることができます。
そうした「道具」として優れた部分により、低性能なパソコンと「作業時間の差」が生まれます。
「作業時間の差」とは、パソコン起動時間の高速化といった事だけでなく、打ちやすいキーボードで誤入力の防止や、目の疲れを抑えて作業集中を促す画面などといったことでも生まれます。

「作業時間の差」による効率化の計算例として、ある企業で低性能パソコンから高性能パソコンに入れ替えることで、日に30分程度の効率化を達成できたとした場合、月間で10時間程度の効率化を達成できることになります。
年間ですと120時間であり、他の社員も低性能なパソコンを利用していたとすると、会社にとって膨大な時間が無駄になっているということになります。
費用的にも、時給3000円の社員であれば、年間で36万円分ということであり、一年間の作業効率化できた時間にて高性能パソコンとの価格差以上の効果があります。

とはいえ、高ければ高いほど良いパソコンかというと、そういう事ではなく、自分の作業をより効率化してくれるパソコンが良いパソコンということになります。
例えば、Word,Excel程度であれば、ハイエンドCPUは必要無いだけでなく、発熱などのデメリットも考えられます。
また、グラフィック性能を向上させるGPUという重要なパーツがありますが、これはゲーム向けと画像処理では製品が異なります。

自分の想定する業務作業+α程度を想定したパソコンが、最もコストパフォーマンスに優れたパソコンということになります。

パソコンの形態

大きく分類すると、パソコンにはデスクトップノートブックがあります。
デスクトップの長所は、様々な機器を格納するスペースを確保しやすいので、より高性能なパソコンをより低価格で構築できます。
また、ディスプレイは別ですので、大画面で効率的な作業が可能です。
ノートブックの長所は携帯性、小スペースです。
業務形態に合わせて選んで頂くか、両方保有する場合も多いかと思います。

個人的な意見ですが
デスクトップパソコンをメインパソコンとして利用し、ノートブックをサブとして客先訪問時などに利用するのがおすすめです。

大画面ディスプレイは、Excelとホームページを同時に開いて作業するなど、作業効率を向上できます。
(ノートブックにディスプレイを接続する事も可能ですが、気軽な持ち出しという利点を損ないます)
また、デスクトップはハードディスクを物理的に複数格納できるので、簡易パックアップなどの利便性も高くなります。

但し、2台体制が費用的に難しく、テレワーク用途での持ち帰りや顧客打合せが多いなど携帯することが多い場合は、ノートパソコンのほうが便利でしょう。

パソコンの種類

パソコンはOSと呼ばれる「コンピュータ上で基本的な機能を担うソフトウェア」が搭載されています。
OSの種類としては
主にWindowsMacLinuxChrome OSとなります。
Wondowsはマイクロソフトが開発したOSであり、最新版はWondows11となります。
MacはAPPLE、Chrome OSはGoogleが開発したOSです。

Linuxは少し特殊で、オープンソースソフトウェアです。「オープンソースソフトウェア」とはソースコードが公開されているソフトウェアを意味します。
ソフトウェアを公開することで、特定の企業・技術者に依存せず、初期開発者とは異なる様々な技術者が開発を進めることが可能となります。

ちなみに、パソコンのOSシェアは、世界シェアでWindows75%、Mac15%、その他(Linux,Chrome OSなど)10%です。
一般的には、業務ではWindowsパソコンを利用することが無難です。
Windowsに慣れている人が多いでしょうし、取引先とデータやりとりといった場合、MacとWindowsでは簡単にはできない事があったりします。

Windowsのバージョンについては、Windows11またはWindows10です。
windows10以前のOS(Windows7等)はサポート中止であり、セキュリティ的に業務利用は避けたほうが良いです。
Windows10を利用中であれば、そのままでも問題無いです。11にすることで大きなメリットがあるということではありません。
但し、Windows10は2025年がサポート期限ということになっています。
いずれ、Windows11にすることになるので、早めにバージョンアップでも良いでしょう。

パソコンを選ぶポイント

パソコンの主要機器の説明と、Excel,Word操作、メール、ネットサーフィン等の一般的な事務作業を想定したおすすめ構成を表にしました。
これらの機器を選べば、快適な作業が可能となります。

【参考価格】
下記構成のパソコンとした場合、10万円~

機器説明おすすめ
CPUCentral Processing Unitコンピューターにて、制御・演算を担当する頭脳の役割を持つパーツCore i3以上(Intel製)、Ryzen3以上(AMD製)
メモリMemoryデータやプログラムを 一時的に記憶する部品8GB以上
ストレージStorageデータを長期間保管しておくための補助記憶装置SSD
光学ドライブOptical Drive記憶媒体(メディア)にレーザー照射など光学的な方法でデータの読み書きを行う駆動装置DVDまたはブルーレイ
グラフィックチップGraphics Processing Unit映像データを処理する役割を持つ部品付属品

ストレージ

一般的な事務作業用途で、最も重視すべきパソコン機器は「ストレージの種類」です。
情報を記録するストレージの種類は、HDD(Hard Disk Drive)とSSD(Solid State Drive)に大きく分類できます。
HDDは磁気ディスクに物理的に記録する方式であり、SSDはフラッシュメモリに記録する方式です。
その方式より、大容量にはHDDが向いてますが、速度は圧倒的にSSDが速いです。
これは体感できるほどパソコンの速度が変わりますので、できるだけSSDを選択したほうが良いです。

CPU

Excel,Word等の作業であれば、CPUによる性能差は大きく影響しません。
従って重要視する必要は無いのですが、低価格帯のCPUとi3以上の性能差は大きいので、i3以上(AMDであれば、Ryzen 3以上)がおすすめです。
将来的に、画像編集など負荷がある作業をする可能性があるのであれば、できればi5またはi7以上が良いでしょう。

メモリ

事務作業では、8GBあれば十分です。4GBですと、複数ウィンドを立ち上げた作業に影響する可能性がありますので、
もし、動画編集や大きなソフトウェアを動作させる可能性があるということならば、(予算が許せば)16GB以上にしても良いでしょう。

光学ドライブ

光学ドライブはDVDまたはブルーレイどちらでも問題ありません。主に業務向けソフトのインストールなどに利用することになります。
携帯重視のノートブックでは光学ドライブ無し(外付けで対応可)でも良いでしょう。

グラフィックチップ

一般的な事務作業向けパソコンであれば、グラフィックチップは初期搭載されている部品で十分ですので、気にする必要はありません。
画像・動画編集処理が多い場合は、専門部品を搭載することで編集処理の速度が速まります。

パソコンの個人的おすすめ

パソコンは、メーカーの違いよりも、どういった機器で構成するかの選択がパソコンの良し悪し(効率化効果の大小)に大きく関係します。
そうした中で、おすすめを選ぶとなると、貴重な国産メーカーであるマウスコンピューターです。

今日、NEC、富士通、東芝などのパソコンは、名前は残している場合が多いですが、全て外国資本となっています。
NEC、富士通(のパソコン製造販売会社)はレノボ(中国)の子会社であり、東芝(ダイナブック)はシャープ(台湾)の子会社です。
但し、外国資本だから悪いということでは無いですし、多くは過去の技術を引き継いだパソコンですので、お好みで選んでも良いでしょう。

マウスコンピューターは、コストパフォーマンスが良いメーカーであり、アイドルグルーブ乃木坂46によるCMで有名なメーカーです。
カスタマイズすることで上記おすすめ機能を満たしたモデルが購入できます。
マウスコンピューター

もし、携帯性を重視したノートパソコンということであれば、パナソニックもおすすめです。
長年、軽量、堅牢を特徴としたビジネス向けノートパソコンとして、妥協しない造りの製品です。パナソニック得意のバッテリーも長持ちします。ただし、価格も妥協してませんけど(笑)。
パナソニック

ディスプレイ選び

デスクトップバソコンを選択する場合、ディスプレイの購入も必要です。
一般的な業務利用であれば、ディスプレイに拘る必要はありませんので、お好みのサイズにてパソコンメーカーの付属品で良いでしょう。

ディプレイサイズはお好みや設置スペースで選択で良いですが、24インチあれば、Excelとwebなど、ウィンドゥを2枚並べた作業がし易いです。
24~27インチ程度が、おすすめではあります。
また、広い表示領域が必要な作業であれば、ディスプレイを2台並べて使う事も検討してください。

【参考価格】
24インチ 20,000円~

ディスプレイで注意すべきは、表面処理の種類として、光沢のある「グレア」、光沢の無い「ノングレア」、中間の「ハーフグレア」があることです。
グレア系は動画視聴には適していますが、業務利用では目が疲れる場合がありますので、「ノングレア」がおすすめとなります。

ディスプレイの個人的おすすめ

EIZOが個人的なおすすめです。 EIZOは老舗の日本のディスプレイ装置専業メーカーであり、ブラウン管時代より評判の良かったメーカーです。 他社より多少、高額となりますが、正確な発色と目の疲れを軽減する機能がありがたいので、選んでいます。
EIZO

おすすめの画面サイズは24~27程度です。 24インチあれば、Excelとwebなど、ウィンドゥを2枚並べた作業がし易いです。 設置スペースが許せば、27インチでも良いです。 また、広い表示領域が必要な作業であれば、ディスプレイを2台並べて使う事も検討してください。

パソコン選びの注意点

パソコンは、ある日突然壊れる事があります。ストレージが壊れると、パソコンに格納したデータの読み取りが不可能となります。
データを取り出せる場合もありますが、諦めなければ成らないケースもあります。
データが無くなると、業務に甚大な被害が発生する場合も多いと思われます。万一を考えて、必要なデータは、必ずバックアップをとることをお勧めします。

社内サーバがある場合、サーバデータのバックアップで良いですが、パソコンに情報を格納している場合は、物理的に別なストレージにバックアップしたほうが良いです。
お勧めの構成としては、SSDとHDDの両方を設置し、メインアプリはSSDで高速化とし、データのバックアップを大容量のHDDにて行う手法です。
更にはクラウドへのバックアップソフトを導入すると、更に安全となります。

なお、officeやおすすめのパソコンソフトなど、ソフトウェアについての説明は、今後の別記事で紹介する予定です。
パソコン選びの参考になれば幸いです。